SHLG第2話 『2人のマリ』 (8)
連絡を絶った松原真理救出のため、OTTO軍団のアジトに踏み込むペギー松山だが、目の前の”2人のマリ”の惨状に思わず息を飲む。
「な、なんて事してるの! すぐ2人を放しなさい!」
「なんだい、お前は今日のパーティーに呼んでないはずなんだけどねえ。」
せせら笑いを浮かべるキャプテンレイカ。
松原真理、そしてビジンダー・マリを倒した凶悪ロボットがペギー松山の前にも立ちはだかる。
「仕方ないねえ。お前もパーティーの仲間に入れてやるよ。さあ、こいつの相手をしな。」
「行くわよ。ゴーーッ!」
いつもより、一段と気合の入った掛け声でモモレンジャーに転換するペギー松山。
だが、前回の闘いで破壊されたゴレンジャースーツの修理が完全ではないのか、その姿は通常と大きく異なっている。トレードマークとも言える大きなハートをかたどったマスクは無く、下半身はレオタード状で逞しくも美しい太ももを晒している。
不完全なモモレンジャーの姿を見て、笑い転げるキャプテンレイカ。
「なんだい? その中途半端な変身は。のこのこ出て来て、無様だねえ、ペギー松山、えっ? それに知ってるよ。お前たちゴレンジャーの武器はマスクがないと使えないんじゃななかったかい?」
「お前たちには、これで十分よ。」
「ふん、強がりはおよし。さあ、やっちまいな。」
「良いわね、行くわよ!」
襲い掛かるロボットにイヤリング爆弾を投げつけるペギー松山。
次の瞬間、槍状の爆風で、ロボットは後方に吹き飛ばされ動きを停止する。
「くっ、まさかこんな密室で爆弾を使うとは。」
(ちっ、ビジンダーの打撃でけっこうガタがきてたんだねえ。くそっ、いまいましい。)
「あら、私が爆弾のエキスパートだって事忘れたの? HEAT(成形炸薬弾)の衝撃の指向性をさらに高めたペギー・スペシャルよ。」
「まあ、今夜はたっぷり楽しめたからね。これくらいで引いといてやるよ。」
ペギー松山に救出されたビジンダー・マリ。
SHLG(スーパーヒロインリーグ)の指令室兼ロッカーで、司令の速水リョウコと話をしている。
「なるほど、貴方がシャドウを倒した、あのビジンダーなのね。」
「お願いです。私も、ペギーさんや真理さんといっしょに闘わせて下さい!」
真摯な表情でリョウコに訴えかけるマリ。
「もちろんよ、歓迎するわ。これからよろしくお願いね。」
ビジンダーという新たな仲間が加わったSHLG(スーパーヒロインリーグ)。
闘え、美しき戦士たち!
―完―